たまたまその会社と少しだけ関わりがあるんですけど、このツアーの需要は「お手軽自分探し」です。
よく、高校生・大学生くらいになると留学したい・ワーキングホリデーしたい・バックパッカーに憧れるとか言い出して海外志向になりますよね。
あんな感じの自分探しをしたいとか、特別なナニカになりたいって若い子たちに、そこそこの費用で世界(元はアジア)一周の船舶ツアーを用意して、さらに国際交流とかの大義名分を足したものがあのピースボートというNGO活動となります。
意識高い系のボランティア活動の極まったやつ、みたいな感じだと思うと分かりやすいかと思います。なので、参加者はツアーのお客さんではなくあくまで主体的なスタッフの一員として扱われます。金は取るけどスタッフなので当然下働きをさせられるわけで、その分だけ人件費を削減できるというなかなかに強かなビジネスモデルなんですよ。
その成り立ちですが、
こちらご存知の辻元清美議員。
この人が学生時代に作った組織です。もともとは歴史教科書問題に触発されて、過去の日本によるアジア植民地各国への民間国際交流(ゴメンナサイ行脚)を目的としたものとなります。
それが人が集まるうちに規模が大きくなり、そのうち「学生だけで格安で世界一周ツアーができる」って華やかな部分だけが着目されるようになりました。
ただ、成り立ちが成り立ちなのでだんだんと政治色が強くなり、北方領土に勝手に行ったり北朝鮮に渡航したりするようになります。黙って行ったら沈められるわけで、当然ながらロシア・北朝鮮とズブズブだったということです。
さらに、費用をケチったことによる安全対策の杜撰さや商売として悪質さ、何よりも学生集団だけしかいない野放しのクルーズ船がアジア各国を訪れることで大麻使用・密輸の温床となります。一時期のツアー内部は相当に荒れててヤバかったらしいです。
これらがマスコミに報じられ社会問題となって、そのため団体としてのピースボートはなくなり、今はジャパングレイスという旅行会社としてこれらの活動をしています。
なので、今はあくまでも学生向けに格安世界ツアーを案内する民間企業という位置付けであり政治色はだいぶ薄れましたが、「お手軽ツアーで学生の自意識を満たす」って根本の部分はそこまで変わってないですね。