SFMOMA “Japanese Photography from Postwar to Now”
サンフランシスコ・ベイエリア近郊には東京都写真美術館のような写真専門の美術館は無いのですが、SFMOMA(San Francisco Museum of Modern Art)が写真に力を入れていて、ここ数年だとダイアン・アーバス、ウォーカー・エバンス、ブラッサイの写真展を開催しています。さらに興味深いことに、日本の写真にも本格的に取り組んでいて日本の写真家の作品を多数コレクションしています。今回はSFMOMAと日本の写真について書きたいと思います。
タイトルにある“Japanese Photography from Postwar to Now”は2017年にSFMOMAで開催された写真展です。戦後から現在までの日本の写真として、森山大道、荒木経惟、細江英公、東松照明、石内都、川内倫子、等の日本の著名な写真家の作品が展示されていました。かなりの数の写真の展示があったのですが、これらはSFMOMAのコレクションでその多くは寄付・寄贈されたものらしいです。図録が販売されていたかどうか覚えていないのですが、もし売っていたら買っておけば良かった。
海外で日本の写真家の写真を見るのは初めてで、なんだか不思議な感じでした。日本でよく見かける有名な作品が多くの写真の一つとして淡々と展示され、あまり見かけないようなタイプの写真が目立っていたり。国が違うとこんなにキュレーションが違っていて、写真展の印象が変わるとは。この時から、アメリカでは日本の写真家の写真はどう見られているんだろう?とかアメリカで見るアメリカの写真家の写真は日本で見たのと違うんだろうか?とか興味を持つようになりました。
SFMOMAの過去の展示の履歴を見てみると、Provoke Eraと題した日本の写真の企画展や、森山大道、東松照明、畠山直哉の個展も開催されていたそうです。結構多いと思いませんか?
この“Japanese Photography from Postwar to Now”の写真展開催に合わせてだと思うのですが、日本の写真家にインタビューをした動画を公開しています。下のページの”Artist Interviews”から荒木経惟、畠山直哉、石内都、森山大道のインタビューが見れます。見応えあるので、興味ある方はぜひご覧ください!
上記のリンクの中に”Introduction”があって、SFMOMAの写真キュレーターの方が日本の写真について簡単に解説しています。戦後アメリカと日本が新たな関係を築き日本が成長していく中で、日本の写真がどう変化してきたのか、日本の写真家はアメリカをどう捉えてきたのか、といったアメリカならではの視点で書かれているので興味深いです。
世の中便利になったものでDeepLを使えば英語の文章を自然な日本語に翻訳してくれますので、ぜひこれを使って読んでみてください。
https://deepl.com
この記事を書きながら先の四人の写真家以外のインタビュー動画がアーカイブされているのを見つけました。以下のページに動画へのリンクがあります。細江英公、須田一政、川田喜久治、北島敬三、土田ヒロミのインタビューって貴重じゃないですかね?