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北方領土問題の発端は、大東亜戦争(太平洋戦争)末期(1945年8月9日未明)に行われた、ソ連による対日参戦によって、満洲への侵攻を皮切りに、朝鮮半島北部を制圧、その後、南樺太や千島列島を占領したものが、現代まで未解決のままになっているというものです。

ソ連が対日参戦を決めた理由となったのが、英国(チャーチル)・米国(ルーズヴェルト)・ソ連(スターリン)の3カ国の代表らによって、主にソ連の対日参戦と、国際連合の設立について協議されたヤルタ会談でのヤルタ協定(密約)によって決定されたのです。

この取り決めによって、ソ連の対日参戦の結果、戦後千島列島はソ連に変換される約束がされていたのです。(満洲国のソ連の権益の確保や、樺太南部の領有などの要求も含まれます)

この米国による対日参戦要請は早く、日米開戦翌日にはルーズヴェルト大統領から、ソ連の駐米大使リトヴィノフに出されています。しかし、この時ソ連のモトロフ外相は、独ソ戦への集中と、日ソ中立条約の制約から不可能と回答するよう訓令が送られたとの事です。ヤルタ会談 - Wikipedia

そしてこの先の事実は、知らない人も多いのではないでしょうか。

ヤルタ会談直後の1945年2月中旬から、9月にかけて米ソ合同で千島列島上陸を支援するための、極秘軍事作戦「プロジェクト・フラ」というものが実施されています。

この作戦で米国はソ連に対して、145隻の艦船を無償貸与して、アラスカ準州ゴールドベイの米軍基地に米軍スタッフ約1500人が常駐させて、ソ連兵約12000に対して、艦船やレーダーなどの習熟訓練を施しているのです。これらの艦船が樺太南部や、千島列島への侵攻に使用されたのです。プロジェクト・フラ - Wikipedia

この極秘軍事作戦がなければ、ソ連の対日参戦は不可能だったとも言われています。これらの事実を「北海道新聞」「釧路新聞」「根室新聞」が報じたが、全国紙は無視した。北方領土問題も、4島をめぐる現代史の根本事実すら国民に知らせていないとジャーナリストのの粟野仁雄は発言しています。

私は全国紙が報じなかった理由として、この事実を日本国民に知らせたくない勢力によって、報道を規制する力が働いたのだと思っています。

一般的に日本では、ソ連が独断で日ソ中立条約を勝手に破り、日本に宣戦布告して対日参戦した(ソ連が悪である)と思っている人が大多数なのだと感じます。これにより、今でも日本の対露感情が良くない原因の根本となっていて、現在の戦争においてもロシアが一方的な悪であるというのを疑わず、受け入れたのではないかと考えます。

しかし、このようにソ連の対日参戦を促したのも、強力に後押ししたのも米国なのです。

そして2020年7月に、ロシアで法改正が行われました。その中には「領土割譲に向けた行為や呼び掛けを容認せず」と明記されたのです。これによって日本は、北方領土問題でロシアとの交渉の席につくことさえ出来なくなったのです。これにも非常に意図的なものを感じてしまうのですが…

北方領土問題の根本には、アメリカが深く関わってきたのです。そして、それをひた隠しにしている。これが北方四島の返還を困難にしている元凶なのではないでしょうか。

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