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こういう質問が出るたびに、武士道がどうの、もっと貧しい国があるのに…って回答がドカドカ出てそれにアホみたいにupvoteついていることが問題の根源じゃないでしょうかね。

「運者生存」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。

適者生存は、適性があるものが生き残るというロジックですが、必ずしもそうではないという反対論もあります。

「なんかわからんけどたまたま運よく生き残っちゃった」

こういう生存も生物界には結構あるそうです。

自殺なんて甘えだの貧しい国に比べたらマシだだのおっしゃっている方々は、日本における「運者」でしかないと思います。だって、親が新興宗教にいれあげて上履きすら買えなかった子供時代を過ごしたわけでもないでしょうし、親に何十年もセックスを強要されたわけでもないでしょうし、両親が認知になって介護退職したわけでもないでしょう。私と私の周囲にいる自殺未遂経験者の一部ですが。

なんでもかんでも「甘えだ、がんばれ」に結び付け、フラットに聞いてあげる存在の人が少なすぎるんですよ。

日本に完全帰国して数年になりますが、いまだにぎょっとすることがあります。

駅の階段などで大きな荷物を持って一段一段おりているお年寄りとか、ホントに誰も助けようともしないし声すらかけないし、それどころか、電車の扉があいたとたん、待っている人を突き飛ばしていく人が一定数います。それをとがめる人もいません。病的だと思いませんか?

他人のマイナス境遇を分かち合うというのはなかなか難しいけれども、一人ではないよ、と伝えることはできます。そういう「ただいるだけなんだけど支えになる」人が極端に少ないと感じます。

私は中国に長くいましたけれども、オフィスで18リットルの蒸留水がなくなったので、空のをはずして満タンのを1mばかりあるサーバーにのせようとすると、必ず、話したこともない社内の誰か男性がすっとんできます。

少なくとも2度、大規模な反日暴動を経験しましたが、挨拶ぐらいしかしたことのない隣の人が「大丈夫だと思うけれども、もしも危なそうだと思ったら、遠慮なくウチに逃げ込んできて!うちの兄は警察につとめているから」とわざわざ言いにきました。恐怖のさなかにこれほど心強かったことはないです。こういうことが日本には極端にかけています。

自殺の直接的な原因は統計的に貧困や莫大な借金など経済的なものが最大だそうですが、そこから立ち直ろうとするか、心折れてしまうかは少なからず、周りになんらかの形で助けてくれる人がいるかどうかじゃないでしょうか。

うちの保険セールスがそうです。夫のモラルハラスメントとあずかり知らぬところで発生していた借金に耐えかね、子供二人を遠くの実家にあずけて、数か月、軽乗用車の中で寝起きしたそうです。しかし、当時の職場の社長が夜の間は応接室や給湯室を使っていいと融通してくれ、同僚たちも安いアパートを探したり、食べ物や着るものや食器…全部くれたといいます。無断で連帯保証人にされていた分の借金は数年で返済、今は子供とつつましく暮らしています。彼女いわく、逃げ出した時は目の前真っ暗でどうしたらいいかわからなくて、いっそ子供と心中しようかとすら思ったそうですが、当時の職場の人や、職場の人から自分の窮状をききつけた全く見ず知らずの人が野菜くれたりコメくれたり、がんばって!と缶コーヒーくれたりしたことで「どうにかなる」と思えたそうです。

ここで彼女に「自己責任論」だの「おまえより貧しい人はいくらでもいる」などとクソバイスばかりいっていたらどうでしょうか?

もう一つ、事例をあげます。やはり女性です。

彼女の母親は新興宗教に入れ込みすぎ、夫は耐えかねて失踪。

仕事もせず、生活保護も入ればすぐに宗教団体に入れてしまうので、小学生の頃から母親に殴られながら生活費を死守したそうですが、それでもあと1週間300円でどうやって過ごすか悩んだそうです。小学生ですよ!?

働きながら定時制高校を卒業したのち、当然、東京に逃げますがそれでも母親が金の無心に来る。頼る人もなく、恐怖ばかりで自己肯定感ゼロ、自傷行為に走ったそうです。今のパートナーとあわなければ確実に自殺していたと言います。

そういう人にそれでもハイチよりはましだろうというクソバイスを送る気には、私はなれません。そんな人がいたら心から軽蔑しますね。

傾聴術とかではなく、困窮している人へのアプローチには5つあるそうです。

1.どうして自殺したいの?(調査的態度)

2.今の生活に不満があるのか?(解釈的態度)

3.自殺しちゃだめだよ(評価態度)

4.自殺したいならしょうがないね(支持態度)

5.自殺したいんだ…。(理解的態度)

1,2,3では相談する側は身構えるか、モヤモヤするかですね。

4はもはや投げやりです。最初のアプローチとしては5が正解なんだそうですが、いいとか悪いとか評論なしに、相手のことを受け入れる、こういう言葉が少なく感じます。ただ、黙って隣にいてくれるとか、一緒に泣いてあげるとかそういう人間関係があまりない気がします。

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