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Masahiro Goshima (Goshi)さんのプロフィール写真

山元彩香 写真集「We are Made of Grass, Soil, Trees and Flowers」

年末年始は日本に帰国したのですが、コロナの水際対策の関係で14日間自主隔離があり、行きたかった写真展がいくつかあったのですが諦めていました。東京都写真美術館で11月から開催されている「記憶は地に沁み、風を超え 日本の新進作家vol.18」もその一つ。これは最近活躍されている五人の写真作家の方の展示です。

成田空港からアメリカに出発する日に東京に新幹線で向かったのですが、東京滞在時間はわずか。東京都写真美術館行きたかったなぁ、と思いながらボーッとしてたら、なんと飛行機の出発時間が遅れる、との通知が。というわけで奇跡的にこの写真展に立ち寄ることができました。

五人の方の展示はそれぞれ興味深いものでした。新しい感覚で撮った写真の展示は、多くの刺激を受けます。駆け足になったけど、行けて本当によかったです。

中でも山元彩香さんの展示は印象的でした。真っ暗な空間に青っぽい色調の写真が浮き上がるかのような展示。最初見たときはバックライトを使っているのかと思いましたが、スポットライトだけでした。うまく表現できないのですが、HDR動画を見た時のような光や色に奥行きを感じるような写真と言ったら良いでしょうか。柔らかな光に包まれた人の写真は、ブルーにグレーディングされたシネマティックな映像のよう。そして被写体の人々は「生」と「死」でいう「生」の部分を感じない不思議な感じで、まるで絵画の静物画を見ているかのよう。この光と色と被写体の関係が絶妙で、凄いと思いました。まさに自分の写真の価値観を変える展示でした。

展示の内容は東京都写真美術館の公式チャンネルでご本人にインタビューしているので、これをみていただくとわかりやすいと思います。

山元彩香 インタビュー「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」

ということで東京都写真美術館のショップNADiff BAITENで写真集「We are Made of Grass, Soil, Trees and Flowers」を購入してきました。これは今回の写真展の図録ではなく、山本彩香さんの写真集です。この写真集の中の数枚が写真展で使用されていました。

写真集は表紙の写真によって日本版(サイン入り)とマラウイ版がありましたが、マラウイ版の表紙の写真が写真展のパンフレットに掲載されているもので印象的だったのでこちらを購入しました。これ以外にも豪華版があるようです。

また後で知ったのですが、吉祥寺のbook obscuraでもこの写真集の発売記念の展示を行なっているとのこと。興味ある方は、東京都写真美術館は1月23日、book obscuraは1月17日までの展示になっているのでぜひ足を運んでみてください。

写真集の方はこんな感じです。色の再現が素晴らしく、写真展の雰囲気を思い出すことができるものになっています。

山元彩香さんご自身のYouTubeチャンネルに、撮影時の様子の動画がアップロードされていました(この写真集の撮影時のものではないようです)。本当に言葉を交わさず相手に触れることでコミュニケーションを取っている様子がわかります。また柔らかな光の感じや美しい色調になる撮影場所を丁寧に選んで、自然光を活かして撮影されていることがわかります。

写真展や写真集と合わせてこうした動画を見るとより一層理解が深まって、写真作家の方に興味が湧きますし、写真の面白さが広がりますね。

シリコンバレーに住んでいる
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参加日: 2010年9月