日本企業から逃げ出した外国人です。優秀かどうかはさておき、日本企業を離れた理由がいくつかありますが、あくまでも経済的な決断でした。日本企業が嫌になったわけではありません。
ソフトウェア業界で働いているものですが、シリコンバレーの会社に転職しただけで給料が2倍上がりました。それだけでほとんどの人は誘惑されるでしょう。日本企業は福利厚生がいいとか反論するひとが多いと思いますが、昔はともかくとして、いまは福利厚生に関してでも海外の会社の方がすごいです。
私の場合は報酬が主因でしたが、第二の理由は出世の機会費用でした。会社入って、5年のとき、アメリカで働いていた同級生が機種責任者や経営者になりはじめていました。40歳くらいにならないと経理職や責任者になれない会社で働いていた私が焦りを感じました。大した責任もこなさないまま、いずれ国に帰る必要ができたら、不利になってしまうのではないかと不安を抱えました。日本の会社がすごく好きでしたが、経験の差が大きくなりすぎないうちに帰国することにしたのです。(国に帰ったらすぐに大きな課題の責任者になったので、誤判断ではなかったと確信しています。)
3番目の理由はアメリカ人の独特な問題なので多くの外国人に関係ない話ですが、アメリカ国籍(あるいは永住権)を持つひとは海外で働いたにせよ、収入税をアメリカにおさめないといけないのです。日本にもアメリカにも収入税を払わないといけないから大変損します。(厳密に言えば、一定の金額までは2重課税にならないが、その金額を超えれば損ばかりです。) アメリカ政府が優秀な労働者を逃さない手口なのか、単純にがめついのか分かりませんが、海外で働く夢を潰す仕組みではあります。
優秀な外国人は色々な国から来ますので、私の経験は代表的なではないかもしれませんが、実際に日本企業を逃げ出した人として回答してみたかったです。参考になれれば幸いです。