この質問に答える前に、まずいくつかの情報を。
①遺伝子治療薬の開発、承認ラッシュがいよいよ始まろうとしています。ノバルティスの遺伝子治療薬ZOLGENSMAは、海外で2億円の薬価がつきました。今後、2025年までに毎年10〜20件の遺伝子治療薬が承認されていきます。
日本の国民皆保険は、一回で高額な治療法があることを全く想定していません。そして、保険料3割負担を上げるつもりもありません。高額薬剤は自費診療扱いではなく、海外より安いけどちゃんと薬価がつき、保険の範囲内で治療を受けられます。
どう見ても原資が足りませんね〜。無い袖は振れず、しかし難病患者は救いたい。
ヨシ!注射剤や手術など、どうしても医療機関でなければ受けられない治療以外、保険適応から外そう!という流れになっていると思います(^^)。
②健康、未病の市場創出
世界的に、現在の医療では、寿命はのびても健康寿命は伸びていない(介護負担だけ増えている)。もっと治療の予後と健康増進に向けて、医療制度そのものの舵を切り直すべきだという流れになっています。
自分たちで健康を意識して、栄養のある食べ物を食べ、しっかり睡眠を取り、運動しなさいね。
それで、本当に重い病気になった時だけ、医療機関に通院し、それ以外はオンライン診療や市販薬でのセルフケアで解決して欲しい、と厚労省は考えている。
もちろん日々の体調管理には、ウエアラブル機器↓も活用して、体温や心拍数や血圧や睡眠深度など異常があったら受診して下さいね。
http://www.meiji-u.ac.jp/md-medinfo/wearabledivices
③注射剤を経口剤に、剤型変更せよ。
https://www.hospital.hakodate.hokkaido.jp/hospital/cancer_guideline/pdf/gankouza/gankouza_38th.pdf
最近の新薬は注射剤が多い。医療機関の負担も多く、患者さんのQOLを著しく下げているので、経口剤を開発せよという要望がきています(多分ティーエスワンを見習えと言いたいのでしょう)。経口剤が開発出来ない場合、インスリンのように自己注射出来る形になっていくでしょう。
④【回答】
国民皆保険を持続できるシステムにするため、花粉症にかぎらず、今後様々なものが保険適用外になっていくと思います。労働人口の減少対策、医療機関の過重労働対策、コンビニ受診対策、医療費の削減対策、過疎地域のオンライン医療構築に向けて、大きな方針転換の第一歩を踏み出したと思います。良い面と悪い面があるとは思いますが、この流れは止められないでしょう。
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追記します。保険適応外になるのは、ざっくり言うと現在薬局で市販されてるものです(OTC類似薬)。
湿布薬、ビタミン剤、皮膚保湿剤、うがい薬、水虫治療薬、にきび薬、整腸剤、便秘薬、花粉症治療薬、消化性潰瘍治療薬、総合感冒薬。
また、コンタクトレンズ検査料なども治療に必要不可欠でないということで、保険適応外になります。多焦点レンズを用いた白内障手術も先進医療ということで、保険給付の必要性が低いとして、適応外。
高齢者への脂質異常症治療薬、坑凝固薬なども、疾病予防より長期服用リスクが高いとして、適応外。